2016年8月23日、一般社団法人日本音楽制作者連盟(以下、FMPJ)、一般社団法人日本音楽事業者協会(以下、JAME)、一般社団法人コンサートプロモーターズ協会(以下、ACPC)、コンピュータ・チケッティング協議会の4団体は、116組の国内アーティストと24の国内音楽イベントの賛同を得て、昨今横行している『チケット高額転売取引問題の防止』を求める、共同声明を発表しました。
http://www.tenbai-no.jp/
日本でのCDをはじめとする音楽ソフトの売上は、1998年をピークに近年まで大幅に減少している一方で、ライブ市場が急成長しています。音楽関係13団体が発行する<ライブ・エンタテインメント白書> によると、コンサートの総公演数は、2006年が47,632本だったのに対し、2015年は56,042本と約1.2倍増加。入場者数に関しても、2006年の2,454万人から2015年は4,486万人へと約1.8倍増加。共に10年間で、明らかな成長を記録しており、ファンにとってライブや音楽フェスが“音楽をリアルに体験できる場所”として、高く支持されています。このようなライブ市場の活性化は、我々にとっても大変喜ばしいことではありますが、この成長に伴い、かなりのスピードでチケットの転売ビジネスが大規模マーケットとなり、以下のチケット高額転売取引問題を引き起こしているのも現状です。
○組織や個人主が利益目的でチケットを大量購入し、転売サイトを使用して通常の何十倍という高価格で取引を行い、多額の利益を得ています。
○何らかの方法で大量購入している組織や個人主により、ファンが正規価格でチケットを購入できないという事態が発生しています。
○転売チケットを購入したファンが、ライブ当日に入場出来ないという被害を受けています。
既に一部のアーティストや音楽イベントでは、チケット転売防止対策として、顔認証システムやファンクラブで購入したチケットのみ転売可能な公式トレードサイトなど様々な施策を導入していますが、いずれもシステムの導入費用や当日のファンへの長時間拘束を要してしまいます。
チケット高額転売取引は、ファンへ多大なる経済的負担を掛け、ライブへの参加頻度の減少やグッズの購入機会の損出を招いているだけでなく、音楽業界がライブ市場へとシフトしている今、我々の知らないところで数多くの不正取引が行われている現状に危機感を感じています。しかし、チケット転売取引に反対している人もいる一方で、賛成し転売取引システムを利用している人がいるのも事実です。今後、チケット転売取引システムが売上を伸ばしていく中で、音楽業界としてチケット転売取引問題と向き合い、従来のチケット販売システムや座席価格の一律問題などを見直し、体制を整えていく必要があると感じております。
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代表者からのコメント
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一般社団法人 日本音楽制作者連盟 理事長 門池三則
『すべてのアーティスト、スタッフは、一人でも多くの音楽ファンに最高のパフォーマンスを届けるために、日々努力を重ね、活動しています。今日のチケット高額転売は、アーティストと音楽ファンとのこれまでの良好な関係を壊してしまう問題なのです。』
一般社団法人 日本音楽事業者協会 専務理事 中井秀範
『本来、定価で手に入るはずのチケットが、一部の悪質な転売業者によって高額なものになり、しかもそれは新しいコンテンツの創作のためには全く活かされないのです。そのような状況を深く憂慮するとともに、根絶に向けての努力を続けたいと思います。』
一般社団法人 コンサートプロモーターズ協会 会長中西健夫
『コンサート数・動員数共に年々増加の一途であり、それはライブ活動がアーティストとファンにとっての重要度の高まりを示しています。そんな中で、単に金銭利益だけが目的である一部の転売ヤーのために、アーティストとファンがどれだけ多くの犠牲を払っているかを少しでも知っていただきたいです。』
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「EMTG」は、「エンタテイメント・ミュージック・チケット・ガード」の略称です。2008年のサービス開始以来、一貫してチケットの不正転売対策に取り組んでまいりました。
今回の「チケット高額転売への問題提起」に全面的に賛同し、今後も「転売対策が可能なスマートフォン電子チケット」や「アーティスト公式チケットトレード」の普及に努め、チケットの不正転売抑止に取り組んでまいります。
●EMTGのチケット不正転売対策について
http://emtg.jp/feature/resaleissue/